定期的に相談にお越しになるAさん夫妻から、自宅で心霊現象に悩まされているという相談がありました。その心霊現象に悩まされている家は築3年の中古物件で、Aさん夫妻は今から2年ほど前に購入したものでした。
家は3階建てで1階は風呂場と6畳1室、2階にはリビング・キッチン、3階に2室という造りでした。
Aさん夫妻は入居してからすぐに断続的に何となく奇妙な気配を感じていたらしいのですが、せっかく買った家なので気にしないように努めてきました。しかし、最近、特にひどくなってきたということで、今回相談にお越しになられました。
Aさん夫妻曰く、奇妙な気配は1階の6畳部屋と1階から2階に上がる階段に感じるようで、具体的な現象としては、突然、人の影がフッと見えたり、誰もいないはずの部屋から物音や音が鳴り始めたり、時には人の声のようなものが聞こえるということでした。また、入居してから飼い始めた犬もいつも同じ場所を吠えているということで、Aさん夫妻はきっと何かがいるのに違いないということでした。
そこで、私たちが実際にAさん夫妻の家に伺って実際に見てみましょうということになり、後日、日を改めてAさん夫妻のお宅に伺いました。
家に入って正面にある1階の6畳部屋に行くと、なるほどAさん夫妻の言う通り、異様な気配を感じ、ゾゾッと鳥肌が立って「これは何かいるな」と確信しました。そして、高齢の女性が6畳部屋の真ん中あたりでコタツにくるまって座っているのが見えました。
Aさん夫妻に
「前に住んでいた人たちってどんな人か知っていますか?高齢のお婆さんがコタツに座っているのが見えますが」
と尋ねると、Cさん夫妻はアッと声をあげながら、
「そうなんです。隣の家に住んでいる人から聞いたのですが、以前この家には若い夫婦とお婆さんが住んでいたそうなんです。しかし、毎月のローンが払えなくなったので、泣く泣く家を手放すことにしたそうです。そしてしばらく家は売れなくほったらかしだったのですが、1年ほど経って私たちが買ったという経緯のようです」
と言いました。
それを聞いて私たちもなるほどと納得し、Cさん夫妻に答えました。
「話を聞いて合点がいきました。この部屋の霊はそのお婆さんの霊です。そのお婆さんの思いや念が、まだこの家の6畳の部屋に残って、生霊として出てきているのです。1階から2階に続く階段も、お婆さんが上のリビングに行くためによく利用したので、その思いが強く残留しているのだと思います。お婆さんとしてはこの家によほど未練があったのでしょう。自分たちが建てた新しい家にもっと住みたかったのに、ローンの支払いが出来ないという理由で出て行くことになってしまったので、その時の悔しい思いや未練がまだこの家に残っていて、それがあなたたちに影響を与えているのです。」
Aさん夫妻はそのことを聞いて、
「お婆さんの霊に出て行ってもらうことは可能でしょうか?」
とおっしゃるので、
「お婆さんにはすみやかに出て行ってもらいましょう。幸いに原因も分かったため、これから家全体を祓い清めながら、お婆さんの生霊にここはもうあなたの家ではないよと言い聞かせて、出て行って貰うようにします」
と説明して、家全体の清め祓いを執り行いました。
Aさん夫妻には部屋の風通しを良くしておくようにということもお伝えしました。というのも、Aさん夫妻はその部屋が気味悪いため普段は物置き部屋として使って雨戸を全く開けていませんでした。しかし、そのことが逆に状況を悪化させていたのです。
生霊・死霊問わず霊は暗いところやジメジメした陰気なところ、ホコリなどが積もった不浄なところを好みます。そのため、普段から掃除をして清潔に保ち、日の光を当て風通しを良くすることで、霊が嫌いな状態を作り出して、寄り付かないような環境にすることが大事です。
その後、Aさん夫妻の家では奇妙な現象はなくなり、今でもその家に住み続けています。
(終わり)

