葛城一言主神社は奈良県御所市葛城山の麓にある神社で、「かつらぎひとことぬしじんじゃ」と呼びます。ご祭神は一言主大神と呼ばれる神様であり、親しみを込めて「いちごんさん」や「いちこんじさん」と呼ばれることもあります。
凶事も吉事も一言で言い放つ託宣の神として、非常に由緒ある神社で、古事記のなかに興味深いお話とともに登場します。
雄略天皇が葛城山へ鹿狩りに行ったとき、紅紐の付いた青摺の衣を着た天皇一行と全く同じ人数、同じ恰好の一行が向かいの尾根を歩いているのを見つけた。天皇は、自分と同じ容儀を整えて行列を進むとは不届き千万であると激高して成敗するために近くに寄って名を問うと、その一行は、
「吾は惡事と雖ども一言、善事と雖ども一言、言離つ神、葛城の一言主の大神ぞ」
と答えた。それを聞いた天皇は、
「恐し、我が大神。宇都志意美(ウツシオミ)に有れば覺らず」(ウツシオミ=ウツシは現実に形を表すという意味。オミは「御身」か「臣」)
と大いに恐れ入り、弓や矢のほか、官吏たちの着ている衣服を脱がさせて一言主神に差し上げた。一言主神はそれを受け取り、天皇の一行を見送った。
このような経緯により、一言主神は、凶事も吉事も一言で言い放つ託宣の神とされ、現在も一言で願いを叶えてくれる神様として信仰されています。
葛城一言主神社を訪ねる
託宣の神様をお祀りする神社が三輪山の大神神社の近くにあるというので、三輪山に参拝した後に行って
みようかという話になり、霊視をしてみると、
「神社の境内から神様が手を差し出して、来い来いと手招きしていらっしゃる」
とのことで、それならばぜひお参りして神様にご挨拶しようとなりました。
当日はよく晴れた日で、三輪山の大神神社へ参拝後、スムーズに葛城一言主神社に到着しました。
神社がある葛城山周辺はのんびりしたところで建物や住宅も少なく、現在でも古代神話の雰囲気を何となく感じることができます。
車を駐車場に停めて参道を歩き、神社手前の階段を登ると、左手に社務所があり、目の前に本殿が見えてきました。
②に続く